干し柿ジャムの作り方と渋抜きの基本
干し柿ジャムは、生の柿をそのまま使うジャムとはまったく別物です。渋抜きと天日干しという2段階の工程を経ることで、柿本来の甘みが凝縮され、独特のコクが生まれます。Cozy Redwoodでは毎年10月にこの仕込みを始めますが、工程の多さゆえに年に一度しか作れない商品です。
渋柿の選び方と渋抜きの方法
渋柿には平核無(ひらたねなし)や蜂屋柿など複数の品種がありますが、干し柿に向いているのは果肉が締まっていて水分が少なめのものです。六甲山麓で採れる渋柿は品種名が明確でないことも多く、農家の方に「干し柿にしたい」と伝えると適したものを選んでくれます。
渋抜きの方法は大きく分けて、焼酎に浸す方法と炭酸ガスを使う方法の2種類があります。焼酎法は家庭でも手軽にできますが、アルコールの香りが果肉に残ることがあります。炭酸ガス法は密閉容器が必要ですが、風味への影響が少なく、仕上がりがきれいです。Cozy Redwoodでは数年前から炭酸ガス法に切り替えています。
天日干しの期間と環境
渋が抜けたら皮をむき、ヘタの部分に紐を結んで軒下に吊るします。干す期間は気温と湿度によって変わりますが、10月下旬から11月の神戸では2〜3週間が目安です。雨の日は室内に取り込み、晴れた日は風通しのよい場所に出します。
干し上がりの目安は、表面に白い粉(糖分が結晶化したもの)が吹き始めたころです。この段階で果肉はかなり締まっており、生の柿とは別の食べ物のような食感になっています。干しすぎると固くなりすぎてジャムにしたときにペーストが均一にならないため、少し柔らかさが残る段階で取り込むのがコツです。
炊き上げのポイント
干し柿をジャムにするときは、砂糖をほとんど加えません。干し柿自体の糖度がすでに高いため、加糖しすぎると甘みが単調になります。Cozy Redwoodでは干し柿の重量に対して5〜8%のてんさい糖を加え、レモン汁で酸味を補う程度にとどめています。
炊き上げは弱火でゆっくりと。干し柿は水分が少ないため、少量の水を加えながら焦げつかないよう木べらで混ぜ続けます。全体がなめらかになったら火を止め、熱いうちに瓶に詰めて脱気します。冷めると固めのテクスチャーになるので、炊き上げ時点では少しゆるめに感じるくらいがちょうどよいです。
干し柿ジャムは工程が多い分、できあがったときの達成感があります。家庭で試してみたい方は、まず少量の渋柿で渋抜きだけ試してみるところから始めるのがおすすめです。